“富山の自然があるからこそ” 趣味から仕事へ -Tapp Craft 丸山 達平さん

img_0379_topつやつやなボディに、きらりと光る目を持つ、可愛らしいホタルイカ。
実は、パソコンに差し込むと体が青く光るUSBです。

イカUSBシリーズの中の「ミミイカ」が、ニューヨーク近代美術館の
ミュージアムストア MOMA Design Storeに日本の優秀なデザインの品として選ばれ、
NYと東京・表参道それぞれにある4店舗に並んだ逸品です。

今回は、イカUSBのデザイン・監修を手掛けた、株式会社Tapp 丸山達平さんに密着。

USBのヒットを皮切りに、数々の原型製作や自社ルアー製作と幅広く活躍される丸山さんに、
お仕事のことや富山の自然のことなどを、伺いました。


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射水市赤井にある倉庫を作業場兼事務所として構える、株式会社Tapp(タップ)。
原型製作とつり道具の企画・販売を、主な事業としています。

射水市出身の丸山さんは、株式会社Tappの経営者としての顔以外に、原型師、ルアービルダー、仏師など、様々な肩書を持ち、多岐に渡って活躍されています。

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 1つ1つ手作業で銅像を作り上げる、原型師という職業

原型師。
それは、銅像を作るときに金属を流し込むための原型を製作する職業のことで、
銅像のクオリティや個性を表現する大事なお仕事です。

原型は、銅像となる写真を見ながら、粘土を使い、手作業で作っていきます。

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銅像の原型を制作中の丸山さん

粘土でできた原型は、石膏を使って型を取ります。
次に、樹脂を塗りこんで、外型と内型を製作します。
ここまでが、丸山さんの、原型師としてのお仕事。

そして、製作した原型は、鋳造メーカーに引き渡し、銅像が作られます。

今まで、丸山さんが手がけた銅像は、
キャプテン翼(葛飾)や両津勘吉(亀有)などのアニメのキャラクターや、
フィリピン元大統領の銅像、富山県にある魚津水族館のモニュメントなどがあります。
また、五重塔の九輪や下関市にある国宝住吉大社狛犬像のレプリカなども製作しており、
携わる銅像の種類は、様々です。

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丸山さんが制作した銅像 キャプテン翼 ((株)Tapp のHPより引用)
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国宝 住吉大社狛犬象の原型 (丸山さん提供)

 

 原型師のスキルを活かして、ルアー作りをスタート

原型師として働く傍ら、長年、趣味で続けていた釣り。
釣り好きが高じて、興味を持っていたルアー作りを始めました。

丸山さんがルアーを作り始めた当初は、ルアー釣りをする人が全体の10%程しかいなかった時代。
自作のルアーで釣りをしている人は、ほとんどいませんでした。
しかし、ルアーは、汚れにくく、簡単に扱えることから、
今では、ルアー釣りが増えてきています。

丸山さんが最初に製作したのは、クロダイを釣るための、ホタルイカの形をしたルアー

ホタルイカは、実際にクロダイを釣るときに使用するエサで、
かつ、富山はホタルイカの産地であることから、
ホタルイカの形をしたルアーを作ろうと思い、制作に着手。
世界で初めて、ホタルイカ型のルアーが誕生しました。

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株式会社Tapp の商品。ホタルイカ型ルアー Standing Squid

ルアー作りの手順は、原型製作と同様、粘土を削って形を作ります。
その後、制作した形のデータをおこして、原型を作ります。
原型で作った成形品は、工場内で着色します。

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着色作業中。一つ一つ、手作業で着色します

株式会社Tappがルアー作りでポリシーにしているのは、“Made in Japan” ということ。
中には、高岡の伝統工芸とコラボして、富山県内で企画・生産が完結している商品もあります。

また、日本製へのこだわりの他に、リアリティのあるルアー作りを目指しています。

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着色前のボディの中に、ワタを入れる本格ぶり

丸山さんのルアー作りに対する情熱は、海への学びにつながり、
ルアー作りのために、漁師として修業をしました。

「釣り人は、海に対してアマチュアだけど、漁師は海のプロ。
一日中、海の上にいて、それで生計を立てているから。」

海のプロから直接習いたいという思いから、2年間、漁師を経験。
その後、2014年に会社を設立し、以降、徐々に種類を増やして、
現在、11種類のルアーを全国各地の店舗で販売しています。

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Tapp Craft オンラインショップ

原型作りとルアービルド。一見、結びつかないように思いますが・・・

「原型を作ることも、ルアーを作ることも、
“ゼロから形を作る”という点で、同じことです。」

原型師としてのスキルが、ルアー作りに活き、
また、それぞれにリアリティを求める姿勢が重なり、
仕事につながった、ということですね。

 

 射水の釣り環境と富山の自然の多様さ

射水市と高岡市の境を走る大型河川、庄川。
車を走らせると15分程度で行ける、新湊の海。
川と海の両方を持つ射水は、釣りができる環境が近く、始めやすい場所です。

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庄川(左)、海王丸パーク※(右)で、釣りを楽しむ人々

自分の作ったルアーを試すためにも、全国各地で釣りの経験がある丸山さんが実感するのは、
「富山は、自然が豊富で、他の地域にこんなにおもしろいところはない」ということ。

富山には、立山連峰と富山湾があり、山と海の標高差が、日本で2番目。
標高差が大きいため、魚や生物の種類がとても豊富な環境です。

ちなみに、標高差が1番大きいのは、富士山と駿河湾を持つ静岡県。
ですが、富士山は、山単体である一方、立山連峰は、数々の山が連なっているので、
静岡以上に自然の豊富さを感じていると言います。

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日常生活でも、よく目にする立山連峰

 

 日本一おいしい!新湊の本ズワイガニ

毎年、11月6日に漁が解禁される本ズワイガニ。
全国の海をよく知る丸山さんは、新湊の本ズワイガニが1番おいしいと語ります。

カニは、通常、海の深いところに生息していて、沿岸から遠い地点で、獲るのがほとんど。
そのため、海からカニを引き揚げたあと、漁港に戻ってくるまで、1日かかることもあるそうです。

新湊の場合は、海岸から急に水深が深くなり、漁港から最短10分ほどでカニの生息地に行けるため、
新鮮な状態のカニを漁港に届けることができます。
そのため、カニの甘みが多く、他の産地と比べて、格段においしいと言います。

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13時から行われる昼セリ(※) 新湊で水揚げされたズワイガニが並ぶ

釣りやアウトドアを通して、全国の海と付き合い、
海の存在が近い丸山さんだからこそわかる、おいしさの違いと根拠。
ぜひ、全国の人に、現地を訪れて、味わってもらいたい射水の自慢の一品です。

 

 玄関を出れば、すべてが屋外の遊び場

丸山さんのように、アウトドアな趣味が仕事につながるのは、
その趣味を謳歌できる環境が近くにあることが、追い風になります。

今後については、
「富山の自然を活かして遊べる、アウトドア用品を開発していきたい」と、
丸山さんは語ります。
その一つとして、近年、バイキングカヤックの正規代理店になり、
カヌーカヤックの制作に力を入れ始めました。

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制作したカヤックを試す丸山さん (丸山さん提供)

「玄関を出てすぐに、アウトドアな遊びができる環境がある」
これからの活動を取り組む上での、丸山さんの思いです。

アクティビティとして楽しめる自然が溢れる富山。
中でも、海と川の両方を持つ、射水は、アウトドア好きの人にはたまらない町。
そう、感じずにはいられないインタビューでした。

■株式会社Tapp
Web サイト http://www.tapp-craft.com/
オンラインショップ http://tappcraft.theshop.jp/
Facebook https://www.facebook.com/Tappcraft/※海王丸パーク
〒934-0023 富山県射水市海王町8番地
WEB サイト http://www.kaiwomaru.jp/※昼セリの見学
新湊きっときと市場にて、見学が可能です。(要予約)
WEBサイト http://kittokito-ichiba.co.jp/
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