人が集まる拠点を目指して。ひらすま書房

img_3366_top3かつての郵便局を改装した施設 Letterの 1階にお店を構える、ひらすま書房。
本の移動販売というかたちで商いを始め、
生まれ育った故郷にお店をオープンするまでのお話を、店主 本居淳一さんに伺いました。

あいの風鉄道 小杉駅から、徒歩10分。
春になると、きれいな桜並木の景色が広がる下条川のほとりに、
ひらすま書房は、あります。

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<Letter. 築90年ほどの建物>

木製の大きなテーブルとイスが、どこか懐かしく、
ソファに座りながら、じっくりと、本を選びたくなるような雰囲気の店内。
所々にグリーンがあって、居心地のいい場所です。

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ついつい長居したくなる古本屋さんの、ひらすま書房。
オープンまでの道のりは、驚くぐらいの偶然の連続と、
自分自身で考え、突き進めてきたことの積み重ねから実現したものでした。

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<店内を眺める本居さん>

 悩んでいる日々に背中を押された、放浪書房との出会い

何か自分でやっていきたいと、心のどこかで思いながら過ごしていたある日。
富山へ出店に来ていた、放浪書房に出会います。

放浪書房とは、各地を放浪しながら旅の本を販売する、(人力)移動型本屋さんのこと。
お店の軒下を借りて、店主のとみーさんが本を販売する姿を見て、
本居さんの中で、「これだ!」と感じるものがあったそうです。

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<放浪書房>

さっそく、その年の9月、本屋さんじゃなくても参加できる一箱古本市に出店。
革のトランクに自分で選んだ本を入れて、販売するということを初めて経験します。
「本を売ることで生まれる、人とのコミュニケーションが楽しい」と感じ、
ナリワイにしようと、決意をします。

 活動開始!富山発、移動販売の古本屋が登場

放浪書房に出会ってから約半年後、
「流浪の本屋 ひらすま書房」として、本格的に移動販売の古本屋さんを始めます。
各地の一箱古本市や、富山市市民プラザで毎月開催している越中大手市場などの
屋外イベントへ積極的に出店をしていきます。

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<移動販売中のひらすま書房>

また、出店を続けながら、
カフェの店内に、ひらすま書房の本を並べる“置きブック”も始めます。
富山の薬売りから発想した「置き薬ならぬ、置きブック」という販売方法で、
本居さん自身が、お店の雰囲気やテーマに合わせて選んだ本を、
店内のブックコーナーで販売をしています。
射水市のおとなり、富山市や高岡市のカフェで“ひらすま書房”の看板を見つけたら、
本居さんのセレクトした本に出会えます。

 ナリワイから生まれた地元のつながり

ひらすま書房を始めてから約2年半が経った、2016年7月。
移動販売を続けながら少しずつ集めた什器を運び、引き渡しから約2週間で、
ついに実店舗をオープンします。
地元 射水市か高岡市で店舗を持ちたい気持ちがあった中、舞い込んできた突然の出店のお話です。
そして、出店するまで道のりには、新しくて懐かしい出会いがありました。

ひらすま書房の本を陳列する、置きブックをしている店舗先でのこと。
店主の紹介で、通っていた小学校の後輩に偶然出会い、地元のつながりが広がるきっかけが生まれます。
その後、後輩からLetterの準備中だった大家さんを紹介されます。
Letterの大家さんは、もともと1階を本屋さんにしたいという気持ちがあり、
それを知った後輩が、引き合わせてくれたそうです。
そして、もう一つ驚くのは、大家さんが、中学校の後輩ということ。
新しくて懐かしいつながりがきっかけとなり、
また、Letterの建物が持つストーリーや店内の雰囲気に惹かれて、出店を決意。
こうしたいくつかの偶然が重なり、また大人になるまで接点がなかった地元のつながりが生まれ、
地元での店舗出店が実現しました。

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 偶然を引き寄せた、行動の積み重ね

放浪書房との出会い。
置きブックの店先で出会った後輩。
後輩が引き合わせてくれた大家さんとLetter.
大家さんの考えと自身の思い。

偶然ばかりが重なって、古本屋を始めてからわずか2年半という期間で
店舗を持つまでに至りました。

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<本居さんが好きな一冊。“小商いのはじめかた”>

出会いや偶然の連続のように思えますが、
「自分なりに色々考えて、動いてきたからこそ出会った偶然です。」と、
本居さんは言います。

放浪書房に出会って感じたことをヒントに、古本の移動販売を始めたこと。
置きブックという、販売方法を始めたこと。
実店舗を見越して、少しずつ準備をしていたこと。

出会いと偶然の裏側に、行動と準備の連続があったからこそ、
一つずつチャンスをつかんで、少しずつ前に進んでいたのですね。

 Letterで、古本屋さんをやりながら

ひらすま書房に置いてある本の中で、特に人気なのは、絵本だそうです。

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<ブリキ箱に入ったたくさんの絵本>

お子さんへのプレゼントの他に、自分用に買われる人も多いそう。
最近は、本を読まない人も増えたので、手元に持っておきたくなる本が好まれているようです。

レコードプレーヤーが置かれたカウンターの横にある棚は、店主のオススメが並んでいます。本選びに迷ったら、眺めてみてほしい本棚です。

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<カウンター横の本棚>

ひらすま書房の店内は、お店とつながる形で、大家さんのオフィスがあり、
2階には、鉛筆画デッサン教室を開いているアトリエ セーベーと、イベントスペースになっています。
デッサン教室に通う生徒さんは、ひらすま書房さんを通って、2階へ向かいます。

古本屋さんのとなりに、オフィスがあったり、アトリエがあったり、
色んな人が集まるLetterに、古本屋さん以外の可能性を感じたことも
Letterに惹かれた理由の一つなのだそうです。

さっそくオープン初日には、ひらすま書房 誕生のきっかけにもなった放浪書房を呼んで、トークショーを行ない、30人ほどが集まりました。
今後も広い店内を使って、「少人数で集まるワークショップや、好きな本を紹介しあうイベントなどを企画して、地元小杉の面白い場所としての拠点にしていきたい。」
そう語る本居さんの話から、これからLetterで起こる様々な可能性に、
楽しみな気持ちを持たずにはいられなくなってしまいました。

ひらすま書房の店内は、時間がゆっくり流れていて、
ついつい長居してしまう雰囲気があります。
休日にゆっくり訪れたい場所があることは、
この町に住むことの喜びの一つのように思いました。

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ひらすま書房
住所   富山県射水市戸破6360  LETTER 1F
営業時間 12:00 – 18:00
定休日  月・火 (臨時休業や営業時間変更等ございます。FB等をご覧ください)(ひらすま書房)http://www.hirasumashobo.com/
(Letter)http://letter-letter.tumblr.com/

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